2011-01-01から1ヶ月間の記事一覧

英国インタゲの非インタゲ化?

英国は2010年第4四半期のGDPが予想を大幅に下回るマイナス成長だったが、一方でインフレ率は近々5%に到達する見込みらしい。 「英インフレ率、今後数カ月で5%近辺に上昇も=中銀総裁」 http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-19198420110126…

中央銀行はどこまで自国のインフレ率を左右してきたのか?(英国の高インフレの構図)

フィリップス曲線についての記事を書いたときにあらためて気づいたのだが、日本と英国のインフレ率は少なくとも過去3年間については非常にきれいにシンクロしている。 英国はリーマンショック以降積極的な金融緩和策をとり、2009年には量的緩和政策を実施し…

フィリップス曲線について (2)

前回の記事で紹介した英国の2008年から2010年までのインフレ率−失業率の関係を日本と米国についてもプロットしてみた。 量的緩和を実施した英米は共に量的緩和実施後は高失業率のままインフレ率が上昇し、逆Z型の推移を示しているのに対し、日本は一見すると…

フィリップス曲線について (1)

久しぶりにTwitterの#defleタグを拝見していたら、人気Tweetとして、日本のフィリップス曲線が紹介されていた。フィリップス曲線はインフレ率と失業率の関係を示したものであり、インフレ率が低いほど失業率が高いことを示すものであったが、1970年代にスタ…

デフレ脱却プロセスはもう始まっている?

ニュース等では殆ど取り上げられていなかったが「デフレ脱却国民会議第2回シンポジウム」なるものが行われたらしく、そこで岩田規久男氏がデフレ脱却プロセスをわかりやすく説明したという事が「日本は破産しない!(オフィシャルページ)」さんに紹介されて…

日銀総裁の打率とスティーブン・ジェイ・グールド「四割打者の絶滅」

先日のエントリを書くのに高橋氏の昔の記事を探していたら「keiseisaiminの日記」さまのブログで、高橋氏が日銀総裁の成績?を打率に例えてつぶやいていたのを知った。 日銀総裁の打率というのは、任期月の中でインフレ率は0から2%の範囲に収まっている月…

高橋洋一氏の「「デフレ人口原因論」の間違い」論の不思議 (3)

高橋氏のデフレ人口原因論批判については氏が提示したグラフの解釈を中心に既に過去に何度か取り上げた(参照)のだが、今回のDiamond Onlineの記事「日本のデフレは人口減少が原因なのか 人口増減と「物価」は実は関係がない」では新たに一つグラフが追加さ…

高橋洋一氏の「「デフレ人口原因論」の間違い」論の不思議 (2)

先日高橋氏のTwitterでの発言について記事を書いたのだが、高橋氏がデフレ人口原因論批判の集大成的な記事 「日本のデフレは人口減少が原因なのか 人口増減と「物価」は実は関係がない」をDiamond onlineに書かれているのを見つけた。そこでは その理解のた…

リフレ政策で日本は破綻するのか?

結論から言えば破綻する可能性はほぼ無いのではないだろうか? もちろんこれは破綻の定義にもよるが、日本がハイパーインフレになったりIMFのお世話になったりデフォルトしたりするような羽目に陥る可能性はごく低いと思う。 議論の前提として、リフレ政策が…

家に帰るまでが遠足、金利正常化するまでがリフレ政策

日本人で「家に帰るまでが遠足です」という台詞を聞いたことがない人はいないだろう。 確かに遠足がどんなに楽しいものであっても、家に帰り着くまでに交通事故にあってしまっては台無しである。 ちなみにおやつは300円まで、バナナがおやつに入るのかどうか…

上念氏の壮大な思考実験について、、

上念氏が自身のトークライブで受けた「日本国全体の資産約5500兆円全額で国債に置き換えることは可能か?」という質問に対して、壮大な思考実験を繰り広げ 上記のような思考実験から、日本全体の資産を全額国債に置き換えることは可能です。しかも、その金額…

高橋洋一氏の「「デフレ人口原因論」の間違い」論の不思議

高橋洋一氏が再びZAKZAKで「デフレ人口原因論」批判をしている。 氏の「デフレ人口原因論」批判については以前にも取り上げたことがある(参照)が、今回は少し切り口が変わっている感じがするので再度考察してみたい。「デフレ人口原因論」の間違い 金融緩…

トヨタ・ユニクロ複合型デフレ

一時期ユニクロに代表される輸入・格安販売業者がデフレを引き起こしているとして「ユニクロ型デフレ」という言葉が話題になったりもしたが、輸入業者がデフレにおいて果たした役割は多めに見ても従であり、敢えて代表的な企業名でこの日本のデフレを命名す…

失われたGDPはどこへ行ったのか?

デフレの弊害を強調し、マイルドインフレを維持することの重要性を示す例として、日本がデフレに陥った1990年代以降に名目GDPが殆ど成長していないことを指摘した上で、「もし、1990年代に適切な金融政策が行われ、マイルドなインフレと経済成長が実現してい…