2011-09-01から1ヶ月間の記事一覧
今回も前回に引き続き、財政再建について考察してみたい。 そもそも財政再建が達成されている状態というのはどういう状態だろうか? もちろん究極的な財政再建は「国債残高=0」という状態だろう。この場合、金利が上がろうが下がろうが財政は全く影響を受…
数回にわたって財政についてエントリーを書いてきたが、最後にすこし趣向を変えて財政再建の「プランB」を考えてみたい。先のエントリーでの考察では、国債残高、支出、税収のバランスから財政をみてみたが、財政が現状まで悪化した所からスタートした場合、…
前回はやや抽象的な観点から財政の維持可能性について考察してみたが、今回は少し違う観点から日本の財政について考察してみたい。 まず足元の財政を見てみる。 以下は財務省のサイトから引用した2010年度の歳出、歳入(当初予算額)の大まかな分類である。 …
財政問題を考えるときの問題の要点は簡単に言えば国債の借り換え・新規発行が持続可能な形で行っていけるかどうかだと筆者は考えている。 自国通貨建て国債であるから、一旦発行した国債が「返済不能」になる可能性は低い。又、全体としてみても積み上げた国…
高橋洋一教授がTwitterで以下のような発言をされているのを見かけたので、自分でもExcelで30分ほどかけてやってみた。 データはWorld Bank(http://data.worldbank.org/)からダウンロードし、2000年と2008年の人口と「GDP, PPP (current international $)」…
前回のエントリーで相対価格について少し触れたので、ついでに長らく書きそびれていた相対価格と一般物価の関係に関するエントリーをアップしたい。 相対価格と一般物価が完全に別物であるという議論は一部のリフレ派が好んでするところであり、彼らに言わせ…
コメント欄での指摘を受け、政府統計の「勤労者世帯年間収入五分位階級別中分類指数(全国)」を基に年間収入五分位階級別の消費者物価指数データから年間収入五分位階級別の前年同月比のインフレ率及び2005年を100とした物価指数をプロットしてみた。年間収…
長らくフラン高に苦しめられてきたスイス中銀がとうとう奥の手中の奥の手、為替シーリングに乗り出した。スイス中銀は6日、今後、一段のスイスフラン高を抑制するため、1ユーロ=1.20フランを下回る水準を容認っせず、無制限に為替介入を行う方針を示し、こ…
順番が逆な気もするが為替関連のエントリーを幾つか書いたついでに、筆者が為替についてどう理解しているのかについても書いておこう。 まず為替レートという価格には二つの面がある。 すなわちAB二国の通貨間の為替レートは (1) 資産価格の面:A国の通貨建…
前回のクルーグマンによるFRB評について で、バーナンキの言うように期待に働きかける手段(FRBに出来ること)はいっぱいあり、まずバーナンキは量的緩和という手をとった。それを見ていて、イマイチ効果が弱そうなので、ウッドフォードは将来の政策パスの表…