2010-01-01から1年間の記事一覧

円高と為替介入

昨今の円高と為替介入について、国外からは予想通り為替操作との批判が、一部経済学者からは円高といっても実質為替から見ればそれほどでもないとの意見が、そして対する一方の陣営からは今の円高はデフレが要因であり、このまま量的緩和に一気に舵を切るべ…

インフレ恐怖症は過剰反応なのか? - 「デフレと円高の何が「悪」か」感想(3)

同書で上念氏は人々のインフレを恐れる潜在的な意識を「インフレ恐怖症」として 「インフレは悪だ!」という原理主義インフレは物価が上がるという点ではたしかにデメリットがありますが、マイホームを買おうとするような真面目な働き者に追い風です。 また…

「バーナンキの背理法」について −バーナンキ風コロンブスの卵?

いまやすっかり有名になり、リフレ派の方のブログであれば一度は引用されているであろう「バーナンキの背理法」は以下のようなものであり、「あらゆる政策手段を考えればその中にデフレ脱却の手段があるはずで、それを見つけられない日本銀行や経済学者を怠…

デフレは中国のせい? - 「デフレと円高の何が「悪」か」感想(2)

上念氏はデフレが安い輸入品の影響によるものという説(いわゆる輸入デフレ説)について1−5章で 中国デフレ原因説(いわゆる輸入デフレ説)の大間違いあまりに馬鹿馬鹿しいので、この話題は一言で終わりにしたいと思います。 もし安い中国製品が日本を10…

「デフレだからモノが売れない」のか?? - 「デフレと円高の何が「悪」か」感想(1)

先日久しぶりに日本に帰国した際に「デフレと円高の何が「悪」か 上念司」という本を書店で見つけたので、試しに買ってみた。 この本については色々と論じてみたい箇所が有るのだが、まずは最初に目についた「デフレだからモノが売れない」という箇所につい…

わるい低労働生産性 と わるい高労働生産性

以前のエントリーで「よい低労働生産性」について書いたが当然「わるい低労働生産性」も存在する。 というより基本的に低労働生産性は悪いことが多いだろう。 わるい低労働生産性のキーワードは「誰の得にもならない」ではないかと思う。 典型的なのは雇用確…

人口減少とデフレについて−リフレ派はなぜ人口要因を軽視するのか?(2)

で、本題の「リフレ派はなぜ人口要因を軽視するのか」だが、ざっとリフレ派の方のブログや掲示板への書き込みを拝見したところ目立った意見は以下の5種類に分けられるようだ。 取りあえずそれぞれについて考えてみた。 1. デフレが人口減少の要因だろ2. 人口…

よい低労働生産性

日本に住んでいるとなかなか気づかないが日本の生活の便利さは異常であり他国の追随を許さないレベルではないだろうか。私の海外在住の経験は英米の2カ国しかないが、比較的まともなこの2カ国でも、郵便をだしても荷物はまともに届かず、職人は約束した時間…

人口減少とデフレについて−リフレ派はなぜ人口要因を軽視するのか?(1)

日本でデフレの要因として取り上げられるもののひとつに少子化による人口停滞・減少があるが、リフレ派の人には今一つ不評のようである。リフレ派から見た「人口減少とデフレが関係ない理由」は色々な視点が含まれており考えさせられるものがあるのだが、そ…

リフレ政策は「韓国」を目指す?

リフレ政策の目指すところは「マイルドなインフレを起こして景気を刺激する」事であり、流動性の罠に陥っていると思われる日本においては長期国債買い切り等の思い切った金融緩和によって市場にインフレが起きるまで円を供給することとされている(諸説ある…