2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

チーターとガゼルの話

チーターは地上最速の短距離ランナーとしての名声を不動のものとしているが、その獲物であるガゼルも又短距離ランナーとしては動物界屈指のスピードの持ち主である。 もちろんこのことは偶然ではなく、自然淘汰によって両者の足が遅い固体が淘汰されていった…

経済財政報告における人口デフレ論の検証について

先日公開された平成23年度 年次経済財政報告では「第2節 物価動向と金融資本市場」の中で、人口動態が物価に与える影響について特別に「2人口動態と物価」として取り上げ、検証を加えている。 2.人口動態と物価 我が国のデフレ基調が続くなか、マクロ的な需…

「リフレ先進国」韓国の現在

英国、米国と書いたので、ついでに韓国についてももう一度書いてみる。韓国については以前に「リフレ政策は本気で「韓国」を目指す気なのか!?」でも書いたが、リフレ派的にはなかなか評価の高い国である。 前回取り上げた原田泰氏だけでなく飯田泰之氏も韓…

QE2(米国版量的緩和)は何を解決したのか?

リフレに関する議論ではイギリスの量的緩和は予後がよろしくない為か、米国の量的緩和(QE1/2)を成功例として挙げる議論が多いように見受けられるが、QE2は何を解決したのだろうか? 各種統計データを単純に見た限りにおいては、QE2が成しえたのはインフレ率…

イギリスはスタグフレーションに突入するのか?

英中銀の金融政策委員会の委員であり、只一人量的緩和再開を主張し続けているポーゼン氏が、イギリスの現状は1970年代と大きく違うため金融緩和を続けても現在のインフレがスタグフレーション化する恐れは低い、むしろここで金融引き締めに転じることこそが…

石油危機と原子力発電について

原子力発電が推進された背景として第一次、第二次の二度の石油危機は無視することができない。 例えば以下は、前回紹介した反原発派によく参照される大島教授の試算による各発電コストの推移であるが、このグラフにおいて発電コストの高さで目立つのは「経済…

揚水発電は本当に原発の付属物なのか?

先日のエントリーは原発を含むエネルギー問題はそもそも人類が本当に長期的な視野で考えなければならない問題であり、発電コストが数円高いとか安いといった目先の経済合理性の観点で考えるような問題ではないという趣旨で書いたわけであるが、一方で前回取…

原発の経済合理性はゼロ?

東洋経済オンラインに6月21日付で 「原発「安価」神話のウソ、強弁と楽観で作り上げた虚構、今や経済合理性はゼロ」という記事が掲載されており、その中では福島の事故以来一部の人間が主張してきた「原発の発電コストは本当は火力よりも高く、そもそも経…