リフレ派・反リフレ派を勝手にチーム分けしてみた

ふと思いたってリフレ派と反リフレ派(に対する筆者の印象)を以下のように勝手に分類してみた。



重ねて言うがあくまで筆者の印象を分類しただけである。
又、純粋に経済学的な観点からリフレ政策について研究・考察している人については、(背景には経済右派、左派的な嗜好があったとしても)中央部の赤丸内に入ることになり今回の分類には含まれない。


折角なので、各チームについて各々の批判派からの視点で紹介すると以下のような感じだろうか。


チームA:フリーランチ派 (金融社会主義派)

  • 日銀がお金を刷ってインフレにしさえすれば景気は回復する!
  • それをしないのは日銀の既得権益を守るための陰謀だ!
  • 増税反対! どうしてもと言うなら法人税と所得税!


チームD:純粋ネオリベラリスト

  • 日本に必要なのは構造改革だ!解雇規制の撤廃だ!
  • ゾンビ産業を清算してこそ真の経済回復が可能になる!
  • 景気回復には増税も必要。もちろん増税するなら消費税!


チームC:マキャベリズム・ネオリベラリスト

  • 日本に必要なのはやはり構造改革だ!
  • でも増税は駄目。日銀に刷らせた金で構造改革をやろう!
  • それでフリーランチ派の支持も取り付けられれば一石二鳥だ!


チームB:増税で景気回復派

  • 増税したお金で需要を創出すれば景気回復できる!
  • 税源は所得税が好ましいが消費税でも可!
  • ばら撒きしたい民主党も大賛成!


チームE:ゆで蛙派(現状追認派・不況過剰適応派)

  • リフレも増税も不安・・・
  • デフレでもそこそこの生活できてるし、別に困らないかなぁ・・・
  • 優柔不断な無党派。レイトマジョリティ。


元旦の朝生で池田信夫教授と森永卓郎教授がリフレ政策について議論されていたが、これはチームAとチームDの対決であり、リフレ政策の経済学的な議論以前にそもそもの価値判断基準が大きく違っている為、議論が収束しようがない。(まあもともと朝生などは議論を収束させるためのものでは無いが、)


現時点で既にチームAからDに属しているような人はイノベーター、或いはアーリーアダプターと呼ばれるような人と考えられる。つまりリフレ政策を推進するのであればレイトマジョリティである「チームE:現状追認派」を動かす必要があるということになる。


そういった面から考えれば各派が宣伝行為(プロパガンダ)に精を出し、何かと言えば一方的に勝利宣言を出し続けるのも納得いかなくもない。レイトマジョリティは勝ち馬に乗りたい層でもあるからだ。 又海外の流行に敏感なレイトマジョリティに対し、海外では○○が常識!みたいな話も有効だろう。


ただ、何度も書いているが金融政策は「流行れば勝ち」というものではなく、実行してからが本当の勝負のはずであり、その勝負には多くの人の生活が掛かっている。各派におかれてはプロパガンダや運動スローガンでなく、中身で勝負して欲しいものである。


(参照)
左派系経済学者がよくやる間違い
http://d.hatena.ne.jp/himaginary/20110313/Cowen_and_Drum_on_left_wing_economists_mistakes

右派系経済学者がよくやる間違い
http://d.hatena.ne.jp/himaginary/20110314/Cowen_on_right_wing_economists_mistakes