「黒い企業を白くします」(ホワイトカラーエグゼンプション)

「ブラック」企業の話を書くと、やたらとその違法性に焦点をあてて論じる人がいるが、そういう人達に朗報?なのが安倍政権がまた検討しているらしいホワイトカラーエグゼンプションである。  今更どういう制度か説明するまでも無いかもしれないが、一応説明すると

ホワイトカラーに勤務時間の裁量権を持たせるかわりに労働時間制限(週40時間まで)を撤廃し、何時間働いてもその社員の裁量とすることで会社は残業手当・割増賃金の支払い義務を負わないという、企業に都合のいい論理である。

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130403-00000008-pseven-soci

という事で、更にこれによって「その適用者の過労死に対しても企業が責任を負わずに済むようになる」との解釈もあるようだ。


この法案がどうなるかはまだわからないが、もしこれが法案化され、更に経団連が主張するように基準額が400万円とかになった日には「ブラック」企業の違法性が声高に批判されている問題のかなりの部分が企業が本質的な改善策を講じなくても合法になるのではないだろうか?


これで晴れて黒い企業が白くなる?


そう考える人も中にはいるだろうが、恐らくそういう人は最初から「ブラック」批判をしたりはしていないだろうから、今、「ブラック」批判をしている人の大部分は、ホワイトカラーエグゼンプションで「ブラックがホワイトになってめでたしめでたし」とは思わないだろう。 つまり「労働基準法違反」問題はもちろん存在するとして、「ブラック」問題の方の本質は違法か合法かでは無いという事である。 


結局、現行のルール(とその遵守状況)が生み出している現況がいかに「最大多数の最大幸福」に寄するものになっているのか、なってないならどのように改善すべきか、という点が重要であり、「ブラック」問題についてはそういった会社、或いは企業戦略を許すことがどのような悪影響を社会に及ぼしているかという評価の基に、それを改善するためにはどのように法律とその執行状況を改善すべきかという事を議論すべきであるというのが筆者の考えである。 ユニクロを叩いている間にホワイトカラーエグゼンプションが通ってしまったりすれば元も子もないのではないだろうか?