リフレ派の極論に手短かに反駁する - 2

極論(3) 5000%のインフレをたった4年で7.5%へと押さえ込んだアルゼンチンの例(1989 – 1993年)はインフレが人為的にコントロールできた事例であり、デフレ派には都合が悪いらしい。

  • 前半部分(5000%から7.5%)は事実であるが、これは独立した金融政策を放棄して固定相場制を導入したことによるものであり、金融政策によるインフレコントロールの事例ではない。
  • 固定相場制維持の為に国内経済の引き締めが必要となり、経済成長は鈍化し失業率も増加。実質為替レートも徐々に割高となり1999年から2001年に掛けてはデフレも経験。
  • 結局、固定相場制は継続不可能となり2001年にデフォルト。その後は「独立した金融政策」路線に戻ったが、再びインフレ率は高騰(41% @ 2002年)。
  • この一連の流れをインフレ率を人為的に「コントロール」した事例とみなせるほどストライクゾーンが広いのであればリフレ政策が失敗してもインフレ率が「コントロール」できなくなる可能性は確かに低い。
  • 但し、そのストライクゾーンが国民に共有される可能性も又低い(はず)。

参照:
アルゼンチンの通貨危機と今後の課題
http://www.lib.kobe-u.ac.jp/repository/90000072.pdf

リフレ派の極論に手短かに反駁する
http://d.hatena.ne.jp/abz2010/20101214/1292352197