リフレ派の極論に手短かに反駁する

いつも文章が長いので今回は一部リフレ派の極論に対して手短かに反駁してみた。


極論(1) 人口動態と経済は関係ない。

  • 合計特殊出生率がずっと10人だった国がある年から突然3人になったとする。
  • この時、人口自体は成長し続けるが新築住宅着工件数は激減する為、住宅市場における需給関係は悪化する。
  • 特殊出生率の変化は人口動態であり、住宅市場は経済の一部であることから命題は否定される。


極論(2) 金融政策によって経済の状況と関係なく一定のインフレ率を保てる

  • 各国が適切な金融政策によってインフレ率をほぼ一定に保てるとし、ある2国が同じインフレターゲットを採用したとする。
  • この時、2国間の為替レートの変動によって生じた内外価格差は為替レートがもとに戻ることによってしか調整されない。
  • これは長期的には相場が固定される必要があることを意味している。
  • 独立した金融政策と固定相場を同時に実現するためには資本の自由な移動を禁じる必要がある(国際金融のトリレンマ)。
  • 資本の自由な移動を禁じる事は金融政策の範疇ではないことから命題は否定される。


[参照]
飯田泰之准教授「人口減少」責任論の誤謬 についての考察 (1)
http://d.hatena.ne.jp/abz2010/20101011/1286799930

飯田泰之准教授「人口減少」責任論の誤謬 についての考察 (2)
http://d.hatena.ne.jp/abz2010/20101015/1287159440

なぜ人口減少が需要減にだけ効いて、供給減に効かないのか?
http://d.hatena.ne.jp/abz2010/20101029/1288347599
  
デフレと円高、どちらが卵でどちらが鶏なのか?
http://d.hatena.ne.jp/abz2010/20101207/1291719204