日本人の「幸福度」が低い理由は?

Blogosさんで最近「日本人の「幸福度」は先進国で最下位 「幸せはお金で買えない」国民性なのか」、「日本は不幸か?」の「幸福度」に関する二つが記事が掲載されており、なかなか興味深い考察が行われていたので、便乗してみる。


はじまりは毎年アンケート形式で世界各国の幸福度を調べている米シンクタンクの今年の調査結果で「日本人の「幸福度」は先進国で最下位 」とされたことであり、この解釈について議論が起こるのは恒例行事のようなものであるが、筆者がこの話を聞いていつも連想するのが以下のような関西人のやり取りである。

「もうかりまっか〜?」
「ぼちぼちでんな〜」>「あきまへんわ〜」>「さっぱりですわ〜」>「首くくらなあきまへんわ〜」

どんなに絶好調な人でも「ぼちぼちでんな〜」止まりであり、「さっぱりですわ〜」でやっと普通くらいな感じである。

まあ、何が言いたいかといえば、日本人の場合「あなたは幸せですか?(良い生活が出来ていますか?)」と聞かれた時にどう答えるかにバイアスが相当かかってるだろうなぁ、という事である。 謙遜とは少し違うが、日本人にこういったバイアスがあることは多くの人が納得できるのではないだろうか?


又、上記バイアスに加えてある状況を幸福と感じるかどうかについても日本人にはかなりバイアスが存在するのではないかと筆者は考えている。 

筆者は、日本以外では米国と英国に住んだ経験があり、大学の同期、仕事の同僚から子供の学校の父兄まで様々な国の人々と交流を持つ機会があったが、前向きというか楽天的というか人生を楽しめる性格の人が日本と比べてかなり多かったような気がする。 これは、日本の社会が閉塞的だから云々という話ではなく、海外で同じ条件下で働いていても日本人の感じ方にはバイアスがあるという話で、単純に言ってしまえば国民性ということになるだろう。


これだけでは筆者の感想だけで終わってしまうので、少し関係のありそうなデータを提示してみる。 

以下はOECDが発表した「Better Life Index」の説明にあったデータであるが、日本人は長寿世界一である一方、健康に対する自信という意味では、OECDで下から2番目の自信しか持っていないということを示している。 これは「日本人は不健康だけど長生き」というわけではもちろんなく、客観的には健康だけど主観的には評価が低いということであり、「幸福度」に似ているのではないだろうか?

Japan enjoyed the highest life expectancy among OECD countries, at 82.7 years for the whole population.

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When asked, "How is your health in general?", 33% of people in Japan reported to be in good health, much lower than the OECD average of 69% and the second lowest rate in the OECD.


http://www.oecdbetterlifeindex.org/countries/japan/


もちろん、日本人が他のどの国よりも幸福かといえば、色々と問題があるだろうが、「日本人の「幸福度」は先進国で最下位」かといわれればさすがに違うだろう。 ちなみに筆者の自己採点は「ぼちぼち」といったとこだろうか。