2014-06-01から1ヶ月間の記事一覧

「定常不況」の正体

筆者が何度か考察してきた「定常不況」はある意味、自己矛盾的な状況といえる。 つまり一般的な理論によれば定常状態=長期均衡では安定的に需給が一致しているはずで、すなわち定常であれば不況ではありえないという事である。 そしてこの論法に従えば、定…

人口動態、長期金利、定常不況 (補足)

前回のエントリーにまたコメントをもらったので、すこし補足しておく。 一般に長期金利は 長期金利 = 期待潜在成長率 + 期待インフレ率 + リスクプレミアムであらわされる水準に落ち着くとされる。 そして長期では通常「期待潜在成長率 ≒ 均衡実質金利」…

人口動態、長期金利、定常不況

前回のエントリーと順序が逆になってしまったが、今回は人口動態、特に「人口増加の鈍化」が定常不況(或いは長期停滞)を引き起こす過程について少し考察しておきたい。 まず人口増加の鈍化が経済に与える影響については、前回に続きクルーグマンのエントリ…

クルーグマンのかんたんな「長期停滞」克服法は機能するのか? 

ポール・クルーグマンの「なんで経済学者は人口成長を気にかけるの?」という記事が注目を集めていたが、その中で出てくる「長期停滞」のかんたんな克服法がかなり違和感のあるものだったので、「なぜ人口動態が経済に与える影響が特別なのか?」という点に…

人口減少とデフレの関係に関するコメントに答えてみる

本ブログのエントリーの中でも人口減少がらみは受けが良く(悪く?)、決まって色々と批判を頂くことになるわけだが、どうもテンプレ的というか、エントリーの中身と関係なく、一見分かりやすい切り口から一切合財まとめて全否定するものが多い。 その批判の…