2013-05-01から1ヶ月間の記事一覧

長期金利に簡単に上昇してもらっては困る理由

黒田日銀の異次元緩和で目標として挙げられた波及ルートの内、「長期金利の引き下げ」についてはあまり上手くいっていない事は既に多くの人にとっては明らかだろう。 この問題については、黒田総裁が異次元緩和後の会見(参照)で記者 「1 点目は、本日、一…

遠くて近い?日本財政破綻への道

長期金利に関する懸念ついて書いたついでに、日本の財政問題自体についても少し書いておきたい。 とはいってもこのテーマについては2年程前に幾つかエントリーを書いており、考察のベースになる部分については現在も変わっていないので、まずは前回のエント…

長期金利を「長期的観点」だけから判断しても駄目な件について

最近、為替、株価、長期金利共に神経質な展開が続いているが、前にも書いたとおり「異次元」な金融緩和で、「壮大な実験」をやってるのだから、以前のような安定した相場が期待できなくなるのは当たり前であり、今さら目先の変動で騒いで見ても始まらないだ…

資本主義とトリクルダウン理論について

資本主義では金持ちが益々金持ちになっていくというのは今では多くの人が実感・同意するところだと思うが、「経済学の父」と呼ばれているアダム・スミスも既にそうなる可能性については気づいていたように思われる。しかしながらアダム・スミスはそれでもや…

リフレ政策とトリクルダウン理論について

「トリクルダウン理論」はそれなりに名前を知られている理論ではあるが、意外と内容は知られていないもののようでもある。 その簡単な説明をwikipediaから引用すると トリクルダウン理論(トリクルダウンりろん、trickle-down theory)とは、「富める者が富…

長期金利上昇で明らかになってきた異次元緩和のの「トリクルダウン」頼みの波及ルートについて

ここ数日、長期金利が急上昇したことで財政破綻だなんだと焚き付けている人がいるようだが、依然1%を切る水準である事には変わりなく、財政破綻を語るにはやや気が早いように思われる。リスクが高まっているとは言えるかもしれないが、「異次元」な政策を打…

国家にとってのグローバル企業とは何か?

内田樹氏の「壊れゆく日本という国」という朝日新聞への寄稿で展開されている「グローバル企業」論は納得できる部分も多い反面、ややグローバル企業を一面的に捉えすぎているのではないかと感じたので、少し筆者も考察してみたい。 まず筆者は、グローバル企…

日本のデフレ「不況」とは何だったのか?

先日のエントリー(「なぜ日本だけがデフレになったかを少し考察してみる」)では何故日本だけがデフレになったかについて考察してみたが、今回は日本のデフレ「不況」とはなんだったのかについて考察してみたい。 この二つを分けてエントリーにしていること…

金利平価説と円高トレンドについて

前回のエントリー(「なぜ日本だけがデフレになったかを少し考察してみる」)に対していただいたコメントの中で金利平価説に対する疑問が多かったので少し補足してみたい。 まず金利平価説についてそのままwikiから引用すると以下の通りとなる(太字は筆者)…

なぜ日本だけがデフレになったかを少し考察してみる

なぜ日本だけがデフレになったかという問題については本ブログでもこれまで断片的に書いてきたが、整理も兼ねて筆者の考えを一度まとめて書いておく。 カンタンにまとめるなら、なぜ日本だけがデフレになったかといえば1. 米国を中心に先進国全体として経済…

年収100万円時代はユニクロにとっても致命的?

前回のエントリー(「柳井氏の「年収100万円」発言について − 日本の中流層はこれからも中流層でいられるのか?」)に対し、「中流層こそユニクロのメインの顧客なのに、それが所得の2極化で毀損してしまっては元も子もないのではないか?」、「所得の2極化…