2013-04-01から1ヶ月間の記事一覧

柳井氏の「年収100万円」発言について − 日本の中流層はこれからも中流層でいられるのか?

ユニクロ柳井社長の「将来は、年収1億円か100万円に分かれて、中間層が減っていく」という発言は、かなりの拒否感を持って迎えられ多くの批判が行われているが、そこでみられる「今の日本では年収100万円は不可能だ」という批判は正しくはあっても、この発言…

「黒い企業を白くします」(ホワイトカラーエグゼンプション)

「ブラック」企業の話を書くと、やたらとその違法性に焦点をあてて論じる人がいるが、そういう人達に朗報?なのが安倍政権がまた検討しているらしいホワイトカラーエグゼンプションである。 今更どういう制度か説明するまでも無いかもしれないが、一応説明す…

柳井氏を批判しても仕方がない理由をもう少し書いておく (ブラック企業/ユニクロ問題雑感)

前回のエントリー(「批判されるべきは柳井氏なのか?」)に頂いたコメントを拝見していると、筆者が柳井氏を擁護しているととられた方が結構いらっしゃったようだが、それは筆者の本意では無いので、少し補足しておきたい。 ある繁華街の近くの住宅街で住民…

批判されるべきは柳井氏なのか? (ブラック企業/ユニクロ問題雑感)

ユニクロの大株主であり社長でもある柳井氏の二つのインタビュー記事が話題を呼んでいる。 「甘やかして、世界で勝てるのか」 http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20130411/246495/?rt=nocnt「年収100万円も仕方ない」ユニクロ柳井会長に…

殆どのブラック企業の将来は超ブラック企業

「ブラック企業が社会を豊かにする」という刺激的なタイトルの記事がアゴラに掲載され、注目を集めている。 タイトルからして釣り狙いにも思える記事だが、まあ折角なので釣られてみる。 著者の主張をかいつまんで引用すると 現在の安定期の企業を見ても、創…

いま進めるべき都市の効率化は地下鉄24時間化なのか?

アベノミクスの一環として検討されているらしい3大都市圏でのバス・地下鉄の24時間運行について、池田教授が「世界の主要都市では当たり前のことだ」とし、その上で日本は都市への人口集中をもっと進めるべきだとの自説を説いておられる(参照:「人口の都市…

なぜ韓国はウォン安政策を推進しないのか?

ここの所の円安トレンドは韓国経済にも影響を及ぼしており、韓国からはアベノミクスの「為替操作」に対する非難が高まっている。まあ今の為替水準は依然金融危機後に安全資産として円が買い進められて円高になった分が完全に巻き戻ったとも言えない水準であ…

金融政策は資産バブルにいかに対応すべきか?

金融緩和の弊害として資産バブルの生成・崩壊のリスクを上げると決まって出てくるのが金融政策は資産価格に反応すべきではないという批判である。 その理由を「Wikipediaにそう書いてあった」という所からもう少し掘り下げると、「中央銀行は物価安定に専念…

黒田日銀の逆「ボルカー」的瞬間

黒田日銀の異次元緩和を、ボルカー元FRB元議長が行った金融引き締め策と対比した記事がいくつか目に付いたが、どうにも違和感がある。 例えば黒田日銀の異次元緩和の直後にでた記事ではエコノミストの人が以下のようなコメントを残している。 三菱東京UFJ…

企業のブラック化と少子化の共通要因について

ここ数回の少子化についてのエントリーで、少子化はポジティブフィードバックの性質を持つという話(参照)と、これによるスパイラル化を少しでも食い止めるには若年・低所得層に再分配して少しでも婚期を早める事が有効では無いかという話(参照1,2)を書い…

少子化の加速を少しでも食い止めるにはどうすればよいか?をもう少し考える

前回のエントリー(「少子化の加速を少しでも食い止めるにはどうすればよいか?」)が意外に反響があったのでコメントに返答する形で、前回書き足りなかった点を付け足したい。 (コメントいただいた方の名前は入れたほうがいいのか悩んだが、複数のコメント…

内部留保の問題点について

近年、決算期になると決まって出てくるのが大手企業の内部留保が巨額だという話題である。 大手企業の利益温存加速 100社調査、内部留保99兆円 http://www.47news.jp/CN/201304/CN2013040701001712.html これを受けての各界の反応は多分に我田引水的な…

少子化の加速を少しでも食い止めるにはどうすればよいか?

少子化について二つのエントリー(「なぜ少子化は悪なのか?」、「マスオさんにみる少子化の要因と少子化対策の重要性について」)を書いたので、ついでに少子化対策についても筆者の考えを書き留めておきたい。 で、いきなりぶっちゃけて言ってしまえば少子…

マスオさんにみる少子化の要因と少子化対策の重要性について

いきなりであるが、読者のみなさまはサザエさんの夫であるマスオさんの本名をご存じだろうか? 有名な話らしいので知っている人も多いかもしれないが、彼は妻であるサザエさんの実家に「マスオさん」してはいるものの養子に入ったわけではないので、「磯野マ…

なぜ少子化は悪なのか? 

こちらの記事(参照)に少々思うところがあったので、「なぜ少子化が悪なのか」について少し書いてみる。 少子化のマイナス面については経済への影響を中心とした解説が多いが、これは移民や出稼ぎ労働等を増やすことでもある程度対応できる話であるし、経済…

リフレ「運動」についての雑感

先日のエントリー(参照)に対して、田中秀臣氏から「頭の悪いど素人経済論の典型」とのコメントがついているとの情報を頂いた。まあ別に「頭の悪いど素人」と言われたからといって基本的にその通りなのでどうってことはないのだが、ついでにちょろっと氏の…

黒田日銀の異次元緩和による予想外の波及効果について

先日のエントリー(参照)では、アベノミクスによる円安、株高は想定の範囲内だと書いたが、一方でより広い目で見ればやや予想外の、それもプラス方向に予想外の、波及効果と思われるものもあった。 (まあ、予想外と言っても筆者にとって予想外だっただけで…

アベノミクスによる資産バブルは既に加熱しているのか?

いわゆる「反アベノミクス」、「反リフレ」陣営からは早くもバブルが過熱しているとの声が聞かれるが、これはさすがにいささか気が早いのではないだろうか? 筆者もアベノミクスによる資産バブルを懸念しているが、現状の水準が直ちにバブル的水準かといえば…

アベノミクスに備えるにはどうすればよいか

アベノミクスと称して行われている「大規模な実験(浜田内閣参与)」は、筆者の理解では通貨価値の毀損によって経済を立て直すという実験であり、その実験の大きな柱は二つ、一つは労働者の賃金をドル建てで減らすことで企業の収益を上昇させるということ、…

アベノミクスの行く末を予想する

いよいよアベノミクス(リフレ政策)が本格的に始動しはじめた訳であるが、今回はあらためてその行く末を予想してみたい。 といっても筆者の予想は、2011年1月に書いたエントリー(「リフレ政策で日本は破綻するのか?」)から殆ど変わっておらず、要は以下…