2011-06-01から1ヶ月間の記事一覧

誰が原子力エネルギーを使うべきか

福島の事故以来、反原発の世論はかつてないほど高まっている。 原子力発電には事故コストも含めれば経済的合理性が本来なかった、市場原理に従っていれば今回のような事故は起こらなかった、という意見は確かにその通りかもしれない。 しかしもともと原子力…

量的緩和終了後の英国にプランBはあるのか?

足下の高インフレにも関わらず今回も英国の政策金利は据え置きとなったが、それを責める声はそれほど大きくはない。 なぜなら現在の状況下で英中銀にやれることは限られているということを多くの人が理解しているからである。 そもそも英国が量的緩和で行っ…

英国経済復活への道筋?

先日(22日)、英国中央銀行金融政策理事会(MPC)が行われ、0.5%の政策金利の据え置きが決定されたわけであるが、従来より金利の正常化を主張していたタカ派のセンタンス理事が退任になったことから、何か変化があったのか少し興味を持ってぐぐって見たところ…

金融政策とそのリスクに対する見方の違いについて

コメント欄でyasu様からリフレ政策を支持する視点から多くの興味深いコメントを頂き、あちこちのエントリーで散発的にコメントをやり取りさせていただいたが、その中で金融政策のあるべき姿やリスクについてやり取りした内容をまとめてみたのだが、コメント…

QE2の効果と雇用なき景気回復について

前回のエントリーではQE2後の米国の個人消費の増加が景気回復を牽引しているのかどうかについて疑問を呈したが、それ以外の部分ではQE2の効果として挙げられているものは概ね予測通りと言える。 ここでQE2の効果として挙げられているのは デフレ回避 ドル安 …

米国の個人消費って回復してるの??

クルーグマンがブログでQE2の波及メカニズムについて検討を加えている(参照)のを、「クルーグマン経済学の翻訳ブログ」様で読ましていただいた(参照:量的緩和の伝達メカニズム(オタク風))のだが、その中で気になったのは米国経済の回復を個人消費が牽引…

輸入デフレ説は本当に初歩的な誤解なのか?

輸入品価格の下落が日本におけるデフレの構造的要因の一つではないか、という説に対するリフレ派の典型的な批判は「相対価格と絶対価格の差が分かっていない」というものである。その指摘の次には往々にして「そんな基本的なことすら分かっていないとは、・…

市場の需給ギャップは2003年頃にはほぼ解消されていたのではないか?

前回のエントリーでは大雑把に言えば日本の膨大な需給ギャップ(と呼ばれてきたもの)の要因は人口動態による耐久消費財の需要減と日本が豊かになっていく中で国際競争力を失った国内産品に対する構造的な需要減であり、又、ある特定の市場に於ける需給ギャ…

埋めるべき需給ギャップはどこにあるのか?

日本経済について議論を行う際に重要なキーワードとして出てくるのが「需給ギャップ」である。 日本には埋めるべき膨大な需給ギャップがあるらしいが、勿論その分だけ毎年在庫が積みあがっていっているわけでは無い。要は潜在的な供給能力に対して実需要が少…

「消費税増税」の意味

消費税増税が現実味を帯びてきたことで、消費税の是非についての議論が再び活発化しているようである。 どのような税負担が公平か?という問題については価値観の問題と密接に絡んでおり、議論して答が出る話では無い気がするが、その様な価値観の違いがあっ…

不信任案否決という茶番劇について

鳩山氏「首相はペテン師」「不信任案賛成すれば良かった」 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110603/plc11060310470009-n1.htm 見事なまでの茶番劇、、、 私怨にしか見えない、鳩山前首相の不信任案の支持と、採決直前の腰砕け。 それを見た小沢氏、…

近年の自殺者数の増加とデフレの関係について

最後に自殺者数の増加がデフレによるものだという説についても少しだけ考察してみる。 まず自殺者数の推移とインフレ率・GDPデフレータ、名目GDPの推移を並べてみる。 これらのグラフを見ても分かるとおり日本が最初にデフレになったのは1995 年であり、自殺…

近年の自殺者数の急増についての考察 - 2

前回に続き、もう少し日本の自殺率の推移についての話を続けたい。 前回は男性・女性を併せて考察し、1980年の自殺率を景気に中立的な自殺率の基準と考えると2008年の3万人超という自殺者数はこのトレンド上にあり、1980年から2008年までの自殺者数の増加は…