2011-05-01から1ヶ月間の記事一覧

近年の自殺者数の急増についての考察

日本の自殺率は他国と比較し昔からかなり高い部類に入るが、特に1998年以降は3万人を大きく超えており、それまでの水準が2万人から多くて2万5千人レベルであったことを考えると1998年に急激な悪化をもたらす何かが発生したように見える。この増加の原因につ…

若年層失業率の増加とデフレの関係について

デフレの弊害として若年層の失業率増加が挙げられることがある。 確かにデフレが経済を縮小させ続けるなら新たに社会に出てくる若者の仕事が不足し、結果として若年層の失業率増加の要因になるという話は分かりやすいが、そのことを示す実証データが提示され…

責任の所在をうやむやにすれば誰も責任を取らなくてよいのか?

本の題名は忘れたが、自民党(官僚だったか?)について書かれた本で「自民党は狡猾だからこそ嘘はつかない」という指摘に感心した覚えがある。もちろん自民党政権が嘘をついてこなかったかといえば、そんなことは全く無い訳であるが、この「指摘」が意味し…

国債残高と国民の「資産」の関係について

先日のエントリー「国の借金 国民一人当たり722 万円」の意味 では、国債残高のもつ意味について目先のお金の流れの面から考察した。エントリーの趣旨を簡単にまとめると、国債残高は将来的に返済する必要があろうがなかろうが、存在する以上その金利負担(…

「人権派弁護士」と「談合土建屋」、政府に持つならどっち?

少し前に常夏島日記さんで「浜岡原発の停止要請に見る、民主党の本質 」という題で民主党と自民党の本質について、民主党は「民意こそが民主主義」の党、自民党は「自由こそが民主主義」の党ではないかとの考察をされていた。 その考察のまとめでは 両者の違…

あまりに「アウトロー」な民主党政府の原発事故賠償スキームについて

ようやく政府による原発事故賠償スキームの骨子が固まったようであるが、その後の枝野官房長官による金融機関の一部債権放棄に関するコメントや、東電の年金・退職金カットの拒否、国家公務員の給与削減交渉等、まだまだ最終的にどのような形になるか予断を…

リフレ論における「事実」と「解釈」

先日のエントリーではリフレを巡る議論では「理論」と「仮説」を混同した主張が多く見られ、かえって議論を阻害しているのではないかという事を書いたが、それ以前に「事実」と「解釈」を混在させているケースも多く見られるように感じる。 以下はリフレ派の…

能力の遺伝が格差を固定する?

いつも拝見しているwasting time?さんのサイトで、「中世よりも格差が固定されている現代社会」と題して、現代における格差の固定の要因を「能力(や性格)の遺伝」に求める仮説が示されている。 より平等ということはより能力に基づいた社会になっているとい…

「国の借金 国民一人当たり722 万円」の意味

国債残高は増加の一歩を辿っており、2年連続で過去最高を記録。 よくある「国民一人当たりに換算すると」では722万円まで膨らんだようである。 「国の借金」924兆円に 1人当たり722万円財務省は10日、国債と借入金、政府短期証券を合わせた「国の借…

東電が免責されないとどうなるか、

福島の原発事故に関する東電の損害賠償については、原子力事業者による損害賠償を定めた「原子力損害賠償法(原賠法)」の例外規定(下記)を適用するかどうかが焦点となっている。 [ 原子力損害の賠償に関する法律・第三条第一項 ]原子炉の運転等の際、当該…

貨幣数量「説」と貨幣数量「理論」について

貨幣数量説は英語では「Quantity Theory of Money」であり、この説を自説をサポートするものと考えている人々の一部(まあリフレ派ということだが)は「貨幣数量理論」と呼びたいようである。 高橋洋一教授も記事や著作の中で かつて、日本でも、このような…

経済における「因果関係」をデータから証明することの困難さについて

経済学、特にリフレ論を巡るネットでの議論を見ていると、過去のデータから経済における因果関係が「証明」されているかのような議論が良く見られるが、このような「証明」は本来非常に困難なはずである。 例えば「Aを増加させればBが増加する」という単純な…

「名目成長」で財政再建できるのか?

高橋教授がZAKZAKで「「経済成長で財政破綻する」財務省理論のトリックを暴く」と題して、以下のような指摘をされている。 この数字にはトリックがある。国債残高は600兆円だ。もしすべて1年債であったなら、金利が1%とすると次の年に6兆円増加して、…

人は幾らまでなら破産せずにお金を借りれるのか?

人は幾らまでなら破産せずにお金を借りれるのか?もちろんそれは収入額、資産等多くのファクターから成り立つのだろうが、ハッキリしているのは事前に正確に評価することが不可能である事であろう。 なぜなら、もし明らかな「破産ライン」が存在するなら、最…