2011-04-01から1ヶ月間の記事一覧
前回取り上げさせて頂いた松尾教授の思考実験について、松尾教授ご本人からご指摘を頂き、またエッセイでも取り上げていただいた。 最初に当方の誤解を指摘いただいた部分について書いておくと、前回取り上げた思考実験は、日銀のバランスシートが毀損しても…
松尾匡教授が「ちょっと思考実験してみよう」と題して、国債の日銀引き受け批判を批判されているが、なにかおかしい。 該当部分を引用してみると。 政府支出資金を作るために、国債の日銀引き受けをするとして、それを「物価連動国債」でやったらどうなるで…
福島の原発事故後、原発反対派による推進派への非難は先鋭化しており、原発を推進したこと自体が「陰謀」であり、原発にはなんのメリットも無かったというような意見も散見されるようになっている(以前からか?)。 その様などこにでも発生する「陰謀論」は…
英国におけるリーマンショック後のリフレ政策(量的緩和)の顛末については、その後の経過がよろしくない為か、リフレ派の論者にはまともに取り上げられることが少ないが、その数少ない言及に於いては、英国の現状の責任を政府の緊縮財政に向けているものが…
日本経済の問題点の一つは非製造業の労働生産性が他国に比べて低いことであるという説は以前からあり、その原因を非製造業自体に求める論も多くあるが、それは妥当だろうか? 非製造業の労働生産性が低いということはその産業に働く労働者の賃金が高すぎると…
仮に、才能も性格もチャレンジ精神(リスク選好度、効用関数)も全く同じ二人の人間が居て、一方が資産家の子供(A)、一方が貧困層の子供(B)だったとする。二人が住んでいる国は機会の均等が行き届いており、二人は才能に見合った同等の教育を受けることがで…
昨日取り上げた「keiseisaiminの日記」様のエントリー(日本銀行の資産買入等の基金におけるウソ)に以下のような追記がついていたので、これについても検証してみる。 【追記】 各年債の残存期間は1年以上2年以下としかわからないが、既発の2年債と5,10,2…
リフレ派の「keiseisaiminの日記」様で「日本銀行の資産買入等の基金におけるウソ」と題して、日銀が包括緩和として行っている基金による国債の買い入れが2年債中心になっていることを非難されている。 長めの市場金利を下げることを目的とするならば、現在…
岩本教授のブログで国債の日銀引き受けが起こしうるレジーム転換の影響について、貨幣数量説的な観点から以下の指摘をされている。 「日銀の国債引き受けによってレジーム転換が生じて,マイルドなインフレが実現する」という考え方については,レジーム転換…
まず、このようなマネタイズに手をつければ、一定の円安と国債金利の上昇は避けられないであろう。そしてこの二つは日銀の国債引き受けが行われることが決まれば即日反応があるはずである。(正確には影響の一部は噂の段階で織り込まれる可能性が高い。影響…
4月1日、宮内庁は国民栄誉賞の量的緩和を発表した。 東日本大震災及びその後の原子力発電所の復旧作業に際し多数の国家功労者が生まれたため、宮内庁は過去18人しか受賞者の居ない国民栄誉賞を約2000人に授与することとした。人数については精査中であり…