2011-02-01から1ヶ月間の記事一覧

みんなの党の予算修正案にみる 新自由主義とリフレ政策の関係

先の選挙で躍進を遂げたみんなの党は「新自由主義」的な思想をベースにしていると思われるが、同時にリフレ政策を推進していることでも知られている。筆者にはこの組み合わせ(新自由主義とリフレ政策)が全くしっくり来なかったのだが、先日みんなの党が提…

白川日銀総裁とバブル論について

先日のエントリーの最後に ちなみに以前keiseisaiminの日記様で日銀の役割についてコメント欄で少し議論させていただいたことがあるのだが、そのときの議論についてhimaginary様がブクマで himaginary ※欄でabz氏が言うように白川氏がバブル予防を本格的な課…

通貨を巡る対立について  −白川日銀総裁の講演より

前回に引き続き、白川総裁の講演から、「通貨を巡る対立(currency conflict)」について抜粋してみる。 通貨を巡る対立については、デフレ回避を目的に金融緩和を続ける一部先進国と、その影響で通貨高、インフレ率の上昇、資産バブル等が発生している新興国…

バブルの要因と対策について - 白川日銀総裁の講演より

リフレ派が批判の対象とすべきは一義的には日銀であるはずだが、実際に日本がデフレに陥ったことの結果責任と、リフレ派が正しいと考える政策を行わないことの2点をもって日銀を「非難」することはあっても、白川総裁が実際に発言している内容についての理論…

スタグフレーションはありうるんじゃないか?

agoraで池尾和人教授が「スタグフレーションはあり得るのか」と題した記事を投稿されている。その中で ただし、逆にいうと、実質的に経済全体の所得が減っているにもかかわらず、従前と同じ実質的な生活水準を維持することを求められるような制度的保護や交…

米国の信用緩和(QE2)と日本のリフレ政策の違いについて

コメント欄にてmさまからQE2についてはどう考えているのか?とご質問を頂いたので、返信を書いたのだが、相変わらず文章が長くなりすぎてしまったので、こちらに載せておきます。 頂いたご質問 ちょっと質問なんですけど、FRBはものすごい量通貨供給して…

デフレ均衡は何が均衡しているのか?

前回に続いて、フィードバック・ループの観点からデフレについてもう少し考察してみる。 現在の日本経済に至る転換点をプラザ合意後の円高と考えると、円高はフィードバックループとして 円高 → (外貨建てでの)人権費・物価高騰 → 輸出減・国際収支悪化 → …

リフレ政策に関するポジティブ・フィードバック・ループのリスクについて

ポジティブ・フィードバック(正帰還)とはある原因によって系に変化が生じた時に、その変化が原因に影響を与えることによって更に変化を拡大する過程であり、この過程では変化は自律的に増大し続けることとなる。 経済における代表的なものとしてはバブルの…

日本も「ライフスタイルとしての生活保護需給」を許さないことにするらしい

以前に「英国は「働いたら負けかなと思っている」人々をこれ以上許さないことにしたようです」というエントリーで英国が生活保護受給者に対する圧力を高めていこうとしているとのエントリーを書いたが、日本でも同じような動きがあるらしい。英国ではオズボ…

リフレ政策+ワルラスの法則+貨幣数量説 = スタグフレーション?

先日書いたワルラスの法則に関する記事は、マニアックなテーマと素人の考察、そしていつものように長すぎる文章という3重苦を乗り越えて意外なほど読んでいただけたようなので、長くなりすぎて前回のエントリーから削った部分を書いてみたい。(削っても長…

リフレ政策は本気で「韓国」を目指す気なのか!?

半年ほど前にこのブログを始めたときに最初に書いたエントリーは「リフレ政策は「韓国」を目指す?」だった。まあ半分ネタというか皮肉だったわけだが、大和総研のチーフエコノミストでありWikipediaによるとリフレ派の一人とされている原田泰氏が、2月9日…

ワルラスの法則はリフレ政策を支持するのか?(補足)

昨日のエントリーへ頂いたコメントを読ませていただき、誤解を招く部分があったようなので2点程補足をしたい。 まずリンク先を読んでいただければ分かるが私が引用したのはNick Rowe氏のUnobtanium (ドラゴンボール)の話の途中までであり、「来週発売される…

なぜ移民の流入は住民の相互信頼感をなくすのか?

移民の是非について書いた記事は多いが、賛成派、反対派いずれも感情論や原則論が前面にでている場合が多く、「何が起きるか」についてニュートラルな視点から考察した記事は私の知る限りごく稀である。そうした稀な記事の中でも移民の問題について考えると…

ワルラスの法則はリフレ政策を支持するのか? 

少し前の話になるがリフレ派の飯田教授がシノドスにおいてワルラスの法則を「経済を考える勘所」と紹介している。(参照: 経済を考える勘所−−ワルラスの法則について ) 氏の説明によればワルラスの法則とは ワルラス法則は、「すべての市場の超過需要の和…

TPPに反対する4つの理由 

TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)について俄かに注目が集まっているようなので筆者も意見を述べてみたい。結論から先に言えば、筆者は少なくとも短中期的にはTPPはメリットよりデメリットの方が多いと考えており反対、もしくは消極的な立場である。 その理…

経済学におけるイデオロギーとゲーム理論

たびたび引用させていただいている「himaginaryの日記」さまにて「イデオロギーを内生化する」と題して経済学がイデオロギーとどう向き合うべきかについての一考察が紹介されている。この考察ではイデオロギーを経済学に対する「偏向」と「制約」を意味する…

日本銀行のバランスシートとCPIの関係??

先日のエントリーで日英のインフレ率の推移と世界経済情勢を見比べて、中央銀行の金融政策は直接的、短期的には自国のインフレ率を左右していないのではないか?とする考察を書いたのだが、ちょうど同じ日に「keiseisaiminの日記」さまにて、日銀のマネタリ…